TRIP04

チェンマイのゆるい空間を彩る
街で出会ったストリートアート

チェンマイの街の中を歩いているとしょっちゅう目を引く光景があります。壁に描かれた様々なグラフィティアートです。壁に大通りからちょっと中に入った小道、市場の裏道、まるで建物の装飾と一体になっているような絵まで。ちょっとしたフォトスポットになっているところもあり、チェンマイの街全体をフォトジェニックにしている一つがこのグラフィティアートです。

チェンマイの街全体をアートにするストリートアート

グラフィティアートといえば日本では半分迷惑行為としてアートとしては認められない場合が多いですが、果たしてチェンマイのこれらは許可を得て描かれたものなんでしょうか?

装飾なのかわからないほどあちこちにあるし、街に溶け込むレベルにまでいってしまって、もはやそういうものとして誰も気にしないのかもしれません。

カートゥーン風のキャラクターから、ややグロテスクな動物や人物、よく見るとお店の看板代わりに描かれているものも結構あります。

えらくデザインされた落書きがあるな!と気になって近づいたらその場所にはないお店のアピール・・・みたいなパターンも。旧市街のあちこちにあるiagazzoさんはどこでみても目を引く可愛さ。

ペインティングは路地の外壁だけじゃない

なるほど、いい場所に壁があったからここに道案内代わりに描いておこう。そんなノリなのかもしれません。壁に何にもないと寂しいし、かっこよくおしゃれにした方がいいよね?とか言いながら統一感もなく混然と描かれていって、知らない間にとってもおもしろい街の風景が出来上がった、そんな経緯なのかなと想像しています。

とくに、寺院が密集する旧市街で見かけると不思議な印象です。日本で言えば京都市内の町屋やお寺がある小路の壁に、スプレーで描かれたグラフィティアートがあるようなものだと思うのですが、不思議と違和感がない。

そういえば、チェンマイの四大祭りとしても有名なロイクラトン祭りの時には、寺院の壁にさえ筆で直接ペインティングをしていました。こちらはもはや職人です。

さらにそういえば、これまで訪れた中で、新しくオープンしたカフェの壁に好きに落書きしていってね!というお店が何軒かありました。こちらは旧市街のBART COFFEEさん、そんなわけでTrippino CHIANGMAIも壁デビュー。

もしかしたらお祭りだとか何か特別に装飾をしたい時には、壁にそのままペインティングする文化があって、グラフィティアートはその延長線上なのかもしれません。中だけじゃなくて外もペインティングしたら素敵じゃない?と。

 

街中をキャンバスにしてしまう「ゆるさ」

そもそも、近代化された都市の中では許されない「ゆるい隙間」がチェンマイにはたくさんあるということなんだと思います。これがバンコクにあると工事現場の中や取り壊された建物の壁だったり、やっぱり隠れて描かれている雰囲気があります。チェンマイにはそういう「こっそり描かれた」という雰囲気があまり感じらません。

また、チェンマイで目を引く「色」はグラフィティアートばかりではありません。絵画のように様々な色彩が、市場の食べ物、建物、花や緑にちりばめられています。

色彩の濃い風景の中では、落書きさえも調和してみせているのです。まるで人と自然がうまく調和しながら生活している、その様がこの街中の「落書き」に象徴されているような気さえしてきます。

チェンマイのよさはこういった「ゆるさ」を五感で感じられるということ。なんでもない壁の落書きは、ただ目を楽しませてくれるだけのものではなく、こういう街の空気感の中にあるから感じるおもしろさ、自由さがあります。

観光地としても見所がたくさんあるチェンマイですが、その間の移動は一度はぜひ徒歩でぶらぶらしてみてください。あてもなく、どこに繋がっているのかわからないような小道にあえて迷い込みんでみると、あっと驚くチェンマイストリートアートに出会えるはず。

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