TRIP09

水彩の緑色で描かれる、
チェンマイのありのままの自然

街全体がアートギャラリーみたいなチェンマイ。街から少し離れ、自然に調和した緑が美しい場所バーンカンワット(bann kan wat )に「15.28 studio」というギャラリーあります。アーティストにせまればチェンマイっぽさの世界観のルーツがわかるかもしれない、そんな思いを胸に、ここで水彩画を教えているネード先生におはなしを伺いました。

絵の先生になったきっかけはなんですか?

(Mr. Taned):
出身はバンコク、チェンマイ大学でアートを専攻していました。大学3年生の頃からサンデーマーケットで自分の描いたアートを売るように。100~1000バーツくらいで売っていたのですが生活費と学費を稼げるほどになり、やがて道ゆく人から「絵を習いたい」と声をかけられることが増えたので、絵のレッスンを始めました。

2007年からニマンヘミンにあるカフェで場所を借りて教えていましたが、もっとしっかりワークショップができる場所を作りたくて、2012年に空港内に初めてスタジオをオープンしました。(実は当時の彼女と自分の誕生日をつなげたのが 15.28 studio という名前の由来です、笑)

場所があまり良くなかったのでさらに2014年に今のバーンカンワットのアトリエに移り、ここでギャラリーのマネージャーと水彩画の先生を続けています。2017年に始めてから約10年間続けていますが、1000人以上生徒がいます。やっぱり人に教えることは純粋に楽しくて、教え続けるモチベーションになっています。

バーンカンワットってどんな場所ですか?

(Mr. Taned):
この場所にしたきっかけはここのオーナーと知り合いになって、いいところがあるよと勧めてもらったことです。前の空港のスタジオだと人が入りにくい場所だったんですが、バーンカンワットには観光客もたくさん来るし、絵にあまり興味がない人でも気軽にアートにふれてもらえます。

アートのほかにもクラフト系の小さいショップが集まったコミュニティーモールになっているので、いろんな人に絵を見たり買ってもらえていいなと。

●ギャラリーでは販売もしているんですよね

(Mr. Taned):
そうです、私の作品のほか、学生の作品やチェンマイにいるアーティストの作品を展示しています。チェンマイのアーティスト作品は、絵のスタイルがギャラリーの雰囲気にあったものを選んでいます。気に入ってもらえればどの絵でも買えます。

観光客が多いので、売れるのはサイズがちょうどいいハガキですね。日本人の方も少しいますが、多いのは韓国人、中国人、ベトナム人です。

チェンマイで、水彩画を描き続けること

(Mr. Taned):
私が描きたいのは風景やそこにある「自然」です。今感じたことをメモする気持ちで絵を描いています。中でも、水彩の緑色で表現するのが好きです。いきいきとした自然を緑色で描きたい。意識して「チェンマイっぽい」絵は描いてないです。

自慢の作品がこちらの草と光の絵です。これはこれまでと趣向を変えることにチャレンジした絵で、12日というものすごいスピードで完成させることができ、とっても興奮しました。

Still.2017
WATERCOLOR
PAPER SIZE 116×150CM.
PRICE 299,000 THB.

(Mr. Taned):
また、将来は今より大きいインドアギャラリーを作りたいと思っています。そこでは、同じ趣味の人が集まって一緒にもの作りができ、住まいも一緒になったアーティストインレジデンスのような場所にしたいと考えています。

 

チェンマイのアートシーン

●チェンマイはお店にも絵がたくさんある気がします、みんなよく家に飾ったりするんですか?

そうですね、お店に絵を飾ることが多いですね。実はここのギャラリーの絵も、旅行者の外国人よりタイ人がよく買うのです。はっきり目的まではきいてないのですが、、、きっとタイ人は絵を飾るのが好きなんだと思います。

●好きなアーティストは?

私の好きなアーティストは aj. surat saengsuk ですかね(実は私の先生です)。海外アーティストならwilliam turner さんです。大学1年生の時 turner さんの作品を見て驚きました。

また、他のチェンマイのアーティストの作品がみられるギャラリーといえば、気軽に行けるのはニマン通りの gallery seascape や、art mai hotel ですね。

●お寺の仏教絵画からグラビティーアートまで、チェンマイアートのこと教えてください

伝統工芸やお寺が多いのできっと仏教絵画を描いている方なども多いと思いますが、年配の方でSNSなどでは出てこないのであまりよく知らないのが実情です。街の壁に描かれている絵については、実は許可をもらって描いている絵がほとんどです。これも一つアートの作品だと思います。

 

見てる人にひとことお願いします!

バーンカンワットにたくさん遊びに来て欲しいです。絵だけではなく、服、食器や雑貨屋もあります。バーンカンワットのサンデーマーケットは8:00-14:00と長い時間開いています、とくに朝ゆっくり過ごすにはいい場所かもしれません。

 

ネード先生ありがとうございました!

取材中もずっと生徒さんやお客さんの応対で多忙な様子の先生。純粋に人に教えるのが楽しい、ありのままの自然を描き続けたいという言葉には、押し付けがましくないやさしい空気がありました。10年間で1000人以上の生徒さんがいるという人気も、やさしい水彩の色で絵を描いてみたくなる生徒さんの気持ちもわかるような気がします。バーンカンワット、というかチェンマイの空気感にぴったりのギャラリーなので、ぜひ一度訪れてみて欲しいです!

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